2011-01-21

理系のための社会学入門

社会を“モデル”でみる―数理社会学への招待
社会を“モデル”でみる―数理社会学への招待日本数理社会学会

勁草書房 2004-03
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社会学という魅力的な学問分野がある。しかし、理系人間(これは例えば私)には、敷居が高い――というより、敷居は低そうに見えるのだが、理解するのが難しい部分がたくさんある。

文系向けの社会学入門は多いが、理系向けの社会学入門がほとんどないのだ。本書はそうした「理系でも理解可能な」数少ない社会学の入門書である。なお、本格的な本は「数少ない」というほどではなく、いくつか出ている。

本書には、多くの数理的概念が社会分析をする上で有用であることが、4ページ程度の文章で紹介されている。これは数理社会学のメニュー表のようなもので、読めばその領域がちゃんと分かるというようなものではないけれど、代わりに、多数の例を知ることができて有益である。


社会の見方、測り方―計量社会学への招待
社会の見方、測り方―計量社会学への招待数理社会学会

勁草書房 2006-07
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計量社会学(ようするに統計的な手法を使う社会学)については、姉妹編の本書が詳しい。社会分析の中で、どのように統計が生かされているかがよく分かる。

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両者とも、社会学に興味を持つ理系にはありがたい本。内容が非常に幅広いので、これらをきっかけにして、興味のある論文を読みはじめることができる。

一般的なことを言うと、数理的、計量的な社会学の論文は、数学が得意なら、多くの人が想像しているほど難解なものではない。むしろ焦点が絞られている分、本を通読するより易しいのではないかと思う。上記の2冊には、文献案内があり、その中には論文も多数含まれているので、興味のある人は、それらの論文から興味のあるものをピックアップして読むのもいいかもしれない。

ちなみに、私は、数字も数式もない社会学の本を読むのは苦手である。何が分かったことになるのか、ちっとも分からないからだ。主観を問題にすることが多い以上、全部計量化するのはムリに決まっているのは、頭では分かっているのだが……。

上記の2冊とも、どちらかというと、文系の学生に向けて、「数理社会学、計量社会学(今はわざわざ計量とは付けないことが多いそうですが)はこんなに面白いよ」と誘いかけているように見える。しかし、この誘いに乗ってくる学生は、実は僅かしかいないのではないだろうか。

逆に、理系の学生を誘ってみたら、案外乗ってくるような気がする。理系のみなさん、いかがでしょうか。

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