2009-12-31

ないないづくしのお正月

今年も終わりですが、最近はあまりお正月を意識しなくなっています。

仕事上は、年度の変わり目が一番節目らしい感じです。新入生が来ますし、講義も始まります。気分一新というには年度が一番ふさわしい。仙台では、ちょうどいい時期に桜が満開です。まるで学生を迎えるように咲くのです。関東だと新入生を迎える前に散ってしまう、というか卒業式の時期に咲くので意味が違いますね。

この他には、論文を投稿した直後とか、本を脱稿(というか最終校正を終えたとき?)が一番解放感に浸れるので、これも節目。

で、お正月ですけど、これはもう、なんだかこれまでの流れで来ているという以外にあまり意味がなくなってきていて、正月らしいこともだんだんやらなくなってきています。

(1) 正月番組は全く見ません。(もともとほとんど見ていませんでしたが、今年はTV自体がない)

(2) おせちも作りません。(おせち料理は保存食としての意味があったわけですが、元旦にもネットスーパーで買い物ができるので、保存食を大量に作る意味がない)

(3) 大掃除もしない。(大掃除から中掃除になり、昨年は、とりあえず掃除というように段階的にしなくなっている。引越ししたので、その時にかなり大きな掃除をした(結果的に掃除した)ことになったというのもあるけれど)

(4) 年賀状は、今年はとりあえず来ていた宛先には出しましたが、来年からはブログ年賀状に代えようかと。いきなり全廃するのは難しく、若干のやりとりは残るかもしれませんが。
枚数が増えると、紙の年賀状を印刷するのでさえ大変。一言メッセージを入れようと思うとこれも大変。意外に「一言」で収まらないので。ちゃんとしたことを言おうと思うと年賀状では足りないので、そこまでするならメールかな、と。いろいろやると、年賀状だけで楽々1日くらいかかる。ブログならずっと楽だし、年賀状というハード的制限もない。

(5) 帰省もしない。(正月は混むので別の時期に行きます)

とまあ、もうお正月の意味はもうほとんど残っていないという状態です。税務関連は1月から12月までなので、区切りとしては大きいのでしょうが、これをお正月と結びつけるのもちょっと変かな、と。

他には忘年会と新年会くらいでしょうか。ようするに宴会をする口実に使っているだけですけれど。

と、そんなことを思う年末なのでした。

あ、年越しそばは残っているかも。本日の夕食がおそばだというだけですが。

2009-12-30

アバターがアニメーションを殺す?

アバター(3D)を見ました。

@isologueさんが絶賛していたので見に行ったのですが、いや、これは確かにすごい。3時間あっという間。2時間程度の作品でも途中で眠くなったり、時間が気になったり、別のことを考えたくなったりする落ち着きがない私としては画期的なことです。予想外に戦闘シーンが多く、ちょっと男性向きかな、という気はしましたが、ものすごく楽しめました。モーションキャプチャーの技術もすごい。

Avatar: Motion Capture Mirrors Emotions


アバターについては、磯崎さんの考察がアゴラに載っています(映画「アバター」が社会に示唆すること(デジタルによるリアルの「代替」) - 磯崎哲也)。

アバターを見てこの考察にいたるところが、磯崎さんのすごいところです。彼の考察には遠く及びませんが、私なりの感想を。

ストーリーは、どちらかというと凡庸な気がしました。展開が予想できてしまう。しかし、技術がある水準を超えていると、こうしたことは気にならないもののようです(少なくとも私レベルの分解能では)。

この映画は、映画の世界に逆行不能な変化をもたらすことは間違いないと思われます。2Dから3Dへの移行は常識になり、3Dから2Dには戻らないでしょう。

で、私が一番気になったのは、日本の誇るアニメーション映画は、これで終わっちゃったんじゃないか、ということです。

私は、装甲騎兵ボトムズが好きだったのですが、アバターを見ちゃうと霞んでしまいますね(オープニングの歌詞は好きなのですが)。

装甲騎兵ボトムズ OP


これまでは、実写だと無理があるよね、やっぱりね、そういうものはアニメのほうがかえってリアル、ということがあったわけですが、ボトムズを3Dにしても大して印象が変わらないかもしれませんし、変わったとしてもアバターの水準にはないわけです。

いや、日本には宮崎駿がいる! という意見もあると思いますが、宮崎駿のアニメーションを3Dにしても、インパクトがほとんど変わらないと思うんですね。この種のアニメーションは、3D化できるけれど、そのインパクトがほとんどないという意味において2Dに「閉じ込められている」からです。

「崖の上のポニョ」予告編

つまり、劇画的な世界(ボトムズ)は、3D化してもアバターとは勝負にならず、漫画的な世界(ポニョ)は、3D化のインパクトがほとんどないのではないか、というのが私の印象です。で、3Dを見慣れてしまうと2Dはどうしても物足りなくなるのではないかと思うわけです。

とすると、アニメーションの優位性ってどこにあるのかちょっとわからなくなるのではないかと。

もしかしたら3Dコンテンツの充実がアニメーションを殺すのではないか、そんな気がするのです。

2009-12-28

ゼロ金利との闘い

日銀が何をしているか十分に理解するのは難しい。非常に難しい。

そんな中、必読の文献がだいぶ前に出ていた。つい最近まで気付かなかったのが痛い。

植田和男『ゼロ金利との闘い-日本の金融政策を総括する』(日本経済新聞出版社,2005)

これは重要な文献である。本書を抜きに日銀の政策を論ずることは不可能だと思う。興味があるのは、タイトルにある通り、ゼロ金利下でインフレを引き起こすことが可能か、という問題に日銀がいかに挑んだか、ということにある。2%程度のインフレが望ましい、という点で多くの識者の意見は一致を見る。しかし、問題は、それをどうやって引き起こすのか、ということだ。

学部の教養で習うレベルの教科書的な経済学の話として、貨幣数量説がある。これに従うと、貨幣供給量(通常はM2+CDを指す)が増えれば、いずれはインフレになる、ということになる。これは本当だろうか?計算上は、インフレを引き起こせるかどうかを見るには、貨幣数量説そのものが成立している必要はない。貨幣の流通速度が一定でなくても、下限が0でなければ(真に0より大きければ)、貨幣を供給しまくればいずれはインフレが起きることになる。

本書に重要な指摘がある。引用する。
---
以上のクルーグマンの主張には大きな弱点がある。それは持続的なマネー供給の約束が期待物価水準を引き上げるという仮定である。これはマネーを増やしていればいつかは物価が上がるといっているに等しく、流動性の罠に苦しんでいる中央銀行にはあまり説得力がない。流動性の罠が無限に続いたらいつまで経ってもマネーの増大は経済を刺激しないのではないかという疑問が生まれる。
全体の枠組みをあまり変えずにこの点を修正するには次のように考えるのが一つの途である。現在は投資機会の減少に伴って経済は流動性の罠にあるが、未来永劫にそのままだという可能性は低いだろう。何年か何十年かのうちには新しい投資機会が生まれるかもしれない。外国から特需が発生するかもしれない。財政から強い刺激策が実施されるかもしれない。すると、将来のどこかで経済は流動性の罠から脱出するだろう(理論上は、その可能性がゼロでなければ十分である)。その状態でのマネタリーベースの増加は物価を上昇させるはずである。
したがって、未来永劫にマネタリーベースを増やすということを約束すれば、そうでない場合に比べて将来の物価水準の期待値、同時に現在から将来にかけての期待インフレ率は上昇する。この結果、実質金利が今日下がり、今日の総需要が刺激される。
--- pp.78-79

本書を読むまで、この深さでは考えていなかった。

この他にも、日銀の「時間軸政策」など、マスコミにはほとんど登場しない(ようにみえる)政策技術に関する議論が読める本は他にはあまりないのではないかと思う。

この冬休みは、私的にいろいろやることがたまっており、じっくり考え事をするには向いていないが、本書だけは可能な限り解読したいと思っている。

2009-12-24

facebook騒動

Facebookを使い始めたのですが、どうやらgmailのアドレス帳にある人全員をinviteしてしまったようです。

本来、個別にメッセージ付きで招待状を出すべきでした。

みなさま、お騒がせしてすみません。

これに懲りず、今後ともよろしくお願いします。

※Twitterの次は、Facebookがブームになる…ような気がする。

2009-12-23

業務連絡

明日24日(終日)、メールサーバのメンテナンスのため、大学宛のメールが使えなくなります。何か連絡がある場合は、gmailによろしくお願いいたします。

ハイブリッドな私

先日、知人に、MS-Wordで本を書いた、という話をしたら、「TeXじゃないんですか?」と驚かれました。(ここで、TeXとは、LaTeX2eを想定しています。)

ソフトウェアは統一するべきだ、という思想なのかもしれませんが、私は、使い易いソフトを使えばいい、という主義なので、別にTeXにこだわってはいません。もちろん、wordにこだわっているわけでもないわけですが。

数式がたくさん出てくる本をwordで書くのは、もちろん不可能ではありませんが、正気の沙汰とは思えません。

数式は圧倒的にTeXの方が便利。

目次を作ったりする手間は、どちらも同じくらい。TeXなら\section \subsection \subsubsectionなどと階層を分けてセクションを作り(\documentclass{article}の場合)、\tableofcontentsと書くだけ。ワードだともうちょっと感覚的にできるが手間は似たようなもの。

参考文献に関しては、wordは煩わしい上に、綺麗とは言い難いし、融通もききません。これは、TeXの勝ちでしょう。

図に関しては、ワードの方が扱い易い。TeXでは、通常、figure環境を使って図の位置を確保し、epsなどに変換した図を割り当てればいいわけですが、これが面倒くさい。図はとんでもないところに飛んでいくことがあるし、大きさも感覚的に調整できない(他にソフトはあると思うけど)。そもそも、図を描いて、それをOpenofficeかなにかに貼って、epsに変換するような(他にも方法はあるが、私はそうすることが多い)ことをしないといけないのはちょっとしんどい。

結局、何で書くのがいいかは場合によります。

これと同じようなことは、統計のソフトにもあります。

私は、ExcelとRを使いますが、官庁統計でもともとexcelで提供されているファイルをRで読み込んで(RDBCでできるけど)グラフを描く気にはあまりなれません。通常の回帰分析(重回帰分析)も、Excelで特に困るということはないと思います。

しかし、例えば、ちょっと本格的な解析、例えば、株価をGARCHで分析するような場合、これをExcelでやる気にはなれません。この点、Rならそれほど面倒なことにはなりません。csvのファイルがあれば、ええと、たぶん、

x <- read.csv("data.csv")
price <- x$close
PriceTimeSeries <- ts(price, start=c(2009,1), frequency = 日数)
logdiffPriceTimeSeries <- diff(log(PriceTimeSeries)) // 対数差分を取る
pGARCH <- garch(logdiffPriceTimeSeries, order=c(1,1))
summary(pGARCH)
plot(pGARCH)

みたいなことをすればいい(動かなかったらスマヌ)。これをExcelでやることは、もちろん不可能ではないでしょうが、激しく面倒です。

こうしたことはよくあるわけで、折衷案というかハイブリッドな使い方をしている人は結構多いのではないかと思いますが、どうなんでしょうね。

2009-12-21

東京バキュームエンジン

ビジネス書大賞2010のマスコミ・ブロガー賞をいただきました。みなさま、ありがとうございます!

大賞は、私の予想通り、『ブラック・スワン』でした(ビジネス書大賞2010 『ブラック・スワン』が受賞)。翻訳をされた望月衛さんとお話させていただきましたが、おそらく著者のナシーム・ニコラス・タレブ氏と同じくらい(?)面白い人です。ずっと話していても飽きないのではないかと思いました。

拙著の装丁を担当してくださった石間淳さんともお話させていただきました。どのように装丁が決まるのかというプロセスのお話が非常に興味深かったです。著作の中身を頭に通したとき、書体などのイメージがぽんと浮かぶそうです。

拙著『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』が、ノミネートされているのは知っていたのですが、ディスカヴァーさんが版元なので、さすがに受賞はないだろうと思っていました。嬉しい誤算でした。経緯は、ディスカヴァーの干場社長のブログに掲載されています。

授賞式後にディスカヴァーのクリスマスパーティに出席させていただきました。いや、凄かったです。いらしている方々も、パーティも。smoothさんがいらしていたのに気付かず、挨拶できなかったのが心残りです。あの人かなぁ、と思っていたのですが、何しろ後ろ姿しかみたことがないので、半信半疑で、声をかけられず終わってしまいました。残念!(【宴】今年もディスカヴァーさんのX'smasパーティに行ってきましたの写真に写っているのは、内田麻理香先生と、小池龍之介さんと、たぶん私なのではないかと思います。)

そして、翌日、Tokyo Culture Cultureで開催された「日本タイトルだけ大賞2009」にも参加させていただきました。出版業界の裏話が聞け、読者の方の生の反応が聞け、しかも、有名な著者、編集者と会えるという企画です。まさしく、『目のつけどころ』が素晴らしい企画でした。様子は、たつをのChangeLog(「日本タイトルだけ大賞2009」の発表イベントに行ってきました!)が詳しいです。私もいろいろな方とご挨拶させていただくことができました。

帰りの電車で小飼弾さんとベーシック・インカムについてお話させていただきましたが、この問題は私なりに精密に考えてみたいという思いを強くしました。弾さんの話は、いつでも核心から入るので話が早く(まるで数学の論文のように)、短時間でしたが、交わした情報量はかなりのものでした。

久々に東京に行きましたが、いや、東京はいいですね。情報の集積度、ヒトの集積度を体感すると元気が出ます。

2009-12-16

大学のページのコンテンツをブログに移動

大学のページは、HTMLを直書きして、FFFTPでアップロードするという、いまどきそれはあまりないだろうというやり方で管理してきましたが(案外少なくないようですが)、面倒なのでこのブログにほとんどを移すことにしました。

さしあたり略歴(日本語英語)と、研究業績など、それと、ICカードセキュリティ研究用のリンクをそれぞれ1エントリにしてしまいました。

ブログ内検索も追加。Twitterのガジェットは無理に他のものを使うのをやめてBlogger純正のものにしました。

ブログは固定を嫌うメディアですが、検索できればデータベースみたいなものなので、この方が私には便利。この形でしばらくやっていこうと思います。

研究業績など

神永の研究概要(2012年5月2日現在)

[A] エルゴード的Schrödinger作用素のスペクトル理論 (since 1991), 非線形Schrödinger方程式の定常解の安定性(since 2007)

電気伝導に代表される固体の量子力学的性質は、エルゴード的Schrödinger作用素で記述することができる。中でも、Kohmoto model(準周期的ポテンシャル(quasi-periodic potential)の一種)、ランダムポテンシャル(random potential)を持つSchrödinger作用素を研究してきた。準周期ポテンシャルについては、点スペクトルの非存在問題に関する論文[M-1]、類似の問題をKronig-Penny modelで調べた論文[M-3]がある。電気伝導度(電気抵抗の逆数)に関しては、学習院大学の中野史彦氏と共同で[M-2][M-4]を発表した。[M-2]は、Anderson局在下で電気伝導度が0になるという(物理的には当然と思われるが数学的には自明ではない)ことの数学的に厳密な証明である。最近は、ランダムポテンシャルに関心を移し、2006年には、安藤和典氏(現筑波大学)、岩塚明氏(京都工芸繊維大)、中野史彦氏と共同でPoisson random potentialのスペクトルの決定問題に関する仕事[M-5]を発表した。さらに、この結果を拡張し、未完成だった2次元の場合を埋めると共に、周期的ポテンシャルに関するBethe-Sommerfeld予想の1バージョンを証明した[M-7]。2010年度には、インドの数理科学研究所(Institute of Mathematical Sciences, Chennai)にてKrishna Maddaly教授とAndersonモデルの状態密度(density of states)の解析性について共同研究し、シンプルな結果を得た。これについて、さらに東京大学の中村周氏と共同で証明を簡略化し、さらに一般の場合も含めた結果を、[M-8]として発表した。

また、2009年に、埼玉大学の太田雅人氏と共同で、δポテンシャルを持つ非線形Schrödinger方程式の定常解の安定性に関する論文[M-6]を発表した。

[B] セキュアデバイスの耐タンパー技術(since 1998)

1998年4月に日立製作所に入社し、中央研究所にてICカードのハードウェアセキュリティ技術(耐タンパー技術)の研究開発を行った。研究成果の多くは、ルネサスエレクトロニクス社のAEシリーズマイクロコントローラ用耐タンパーソフトウェアライブラリACL(Advanced Crypto Library)に反映されている。この間の研究は、東北学院大学に移籍してからも続けている。耐タンパー技術一般については、[Book 1]の第5章で解説した。より一般向けの解説を、[Book 2]で行った。研究論文としては、RSA暗号の耐電力解析攻撃実装技術[IT-1, IT-2, IT-2']を発表した。差分故障解析(DFA)については、シミュレーションに基づいた研究論文[IT-3]を発表した。現在、DFAの研究はこの領域における主な研究テーマであり、東北学院大学電子工学科の志子田有光氏、電気情報工学科の吉川英機氏と共同で理論的・実験的な研究を行っており、DFA耐性評価技術に関する論文[IT-4]を発表した。

[C] 社会現象の計量的分析(since 2008)

学力低下問題を統計的・計量的に分析した著作[Book 5]を発表して以来、社会問題の分析に力を入れて執筆活動を行っている。社会現象を統計的・計量的に分析する方法を平易に解説した[Book 6]で、2009年に、ビジネス書大賞マスコミ・ブロガー賞を受賞。[Book 6]の発想を日本の現状分析に応用したのが、[Book 8]である。

以上のように数学、数理物理学、情報工学、社会学(?)など広範囲で研究・執筆活動を展開している。

Books

1. 神永正博, 渡邊高志(共著)『情報セキュリティの理論と技術-暗号理論からICカードの耐タンパー技術まで-』,森北出版,2005年10月, ISBN:4-627-82951-5.
2. 神永正博(単著)『カード・セキュリティのすべて -進化する”手口"と最新防御策』,日本実業出版,2006年8月, ISBN:4-534-04103-9.
3. 神永正博,藤田育嗣(共著)『計算力をつける微分積分』,内田老鶴圃, 2008年3月, ISBN:4-753-60031-
4.神永正博, 山田聖,渡邊高志(共著)『Javaで作って学ぶ暗号技術-RSA, AES, SHAの基礎からSSLまで-』,森北出版,2008年5月, ISBN:4-627-84761-0
5. 神永正博(単著)『学力低下は錯覚である』森北出版,2008年6月, ISBN:4-627-97511-2.
6. 神永正博(単著)『不透明な時代を見抜く「統計思考力」-小泉改革は格差を拡大したのか?』,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2009年4月, ISBN: 4-887-59699-5.
7. 神永正博,石川賢太(共著)『計算力をつける線形代数』,内田老鶴圃, 2009年10月, ISBN: 4-753-60032-7.
8. 神永正博(単著)『未来思考-10年先を読む「統計力」』,朝日新聞出版, 2010, 2月, ISBN:4-023-30488-3.[2010.1.26追記]
9. マグネロ,E.著 ルーン,B.V.絵 神永正博 監訳 井口耕二 訳『マンガ統計学入門』講談社ブルーバックス,2010年4月
10. 神永正博(単著)『食える数学』,ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2010, 11月, ISBN:4-887-59849-1.[2010.11.18追記]
11. 神永正博(単著)『ウソを見破る統計学』講談社ブルーバックス,2011年4月

Refereed Research Papers:

(Research area 1) Spectral Theory of Schrödinger operators & Mathematical Physics

M-1. M. Kaminaga, Absence of point spectrum for a class of discrete Schrödinger operators with quasiperiodic potential, Forum Math. 8, 1996, pp.63-69
M-2. F. Nakano and M. Kaminaga, Absence of transport under the slowly varying potential in disordered systems ,Journal of Statistical Physics Vol.97. Nos.5/6 Dec.1999, pp.917-940.
M-3. M. Kaminaga and F. Nakano, Spectral properties of quasiperiodic Kronig-Penney model, Tsukuba Journal of Mathematics, Vol.26, No.2(2002), pp.205-228.
M-4. M. Kaminaga and F. Nakano, The Landauer resistivity of quantum wires, Journal of Statistical Physics, Vol.111, Nos.1/2, April 2003, pp.339-352.
M-5. K. Ando, A. Iwatsuka, M. Kaminaga and F. Nakano, The spectrum of Schrödinger operator with Poisson type random potential, Annales Henri Poincaré. Vol.7, 2006, No.1, pp.145-160.
M-6. M.Kaminaga and M.Ohta, Stability of standing waves for nonlinear Schrödinger equation with attractive delta potential and repulsive nonlinearity, Saitama Mathematical Journal Vol.26, 2009, 39-48.
M-7. M.Kaminaga and T.Mine, Upper bound for the Bethe-Sommerfeld threshold and the spectrum of the Poisson random Hamiltonian in two dimensions, in press(Annales Henri  Poincaré)[and is available as "online first" on Springer Link(Go)]
M-8. M. Kaminaga, M. Krishna, and S. Nakamura, A Note on the Analyticity of Density of States[arXiv:1205.0077v1], submitted

(Research area 2) Information Security

IT-1. 渡邊高志,神永正博,遠藤隆「中国人剰余定理を用いた耐タンパーRSA暗号処理方式」,電子情報通信学会和文論文誌, Vol.J87-A, No.4, pp.534-545, April 2004.
IT-2. 神永正博,渡邊高志,遠藤隆, 大河内俊夫「RSA 暗号の電力解析法による攻撃とその対策」,電子情報通信学会和文論文誌, Vol.J88-A, No.5, pp.606-615, May 2005.
IT-2'. M. Kaminaga, T. Watanabe, T. Endo, and T. Okochi, Power Analysis and Countermeasure of RSA Cryptosystem, IEICE, Fundamental Electronic Science Vol.89, No.8, pp.10-20, August 2006, 上記和文論文IT-2の英訳(内容は同一)
IT-3. M. Kaminaga, T. Watanabe, T. Endo, and T. Okochi, Logic-level Analysis of Fault Attacks and A Cost- effective Countermeasure Design, IEICE Transactions Vol.E91-A, No.7, pp.1816-1819, July 2008.
IT-4. M. Kaminaga, A. Shikoda, and H. Yoshikawa, Development and evaluation of a microstep DFA vulnerability estimation method, IEICE Electronics Express(ELEX), Vol. 8 (2011) , No. 22 pp.1899-1904.

Patents


特許(国内)
1.  神永 正博, 「データ処理装置」、出願日:2001.10.4、公開番号:特開2003-114618(P2003-114618A)公開日:2003.4.18、出願番号:特願2001-308154(P2001-308154)
2.  神永 正博、遠藤 隆、渡邊 高志「情報処理装置の演算方法および耐タンパー演算撹乱実装方式」、出願2001.3.30、公開:特開2002-297033(P2002-297033A)、公開日:2002.10.9、出願番号:特願2001-97964(P2001-97964)
3.  神永 正博、遠藤 隆、渡邊 高志、大木 優「暗号処理方法」、出願日2001.3.2、
公開番号:特開2002-261751(P2002-261751A)、公開日:2002.9.13、出願番号:特願2001-58087(P2001-58087)
4.  神永 正博、遠藤 隆、渡邊 高志、大木 優「耐タンパーモジュラ演算処理方法」、
出願日:2001.3.5、公開番号:特開2002-258743(P2002-258743A)、
公開日:2002.9.11、出願番号:特願2001-60223(P2001-60223)
5. 神永 正博、「プログラム実装方法」、出願日:2002.10.1、公開番号:特開2004-126841(P2004-126841A)、公開日:2004.4.22、出願番号:特願2002-288204(P2002-288204)
6.  渡邊 高志、遠藤 隆、神永 正博、中田 邦彦、成吉 雄一郎、谷本 千晶「情報処理装置」、
出願日:2001.5.9、公開番号:特開2002-334317(P2002-334317A)
公開日:2002.11.22、出願番号:特願2001-138073(P2001-138073)
7. 大木 優、福澤 寧子、奥原 進、神永 正博「情報処理装置、耐タンパ処理装置」、
出願日:2003.9.12、公開番号:特開2004-86917(P2004-86917A)、
公開日:2004.3.18、出願番号 特願2003-320599(P2003-320599)
8. 神永 正博、遠藤 隆、渡邊 高志、大木 優「耐タンパー暗号処理方法」
出願日:2001.3.6、公開番号:特開2002-261753(P2002-261753A)、公開日:2002.9.13、出願番号:特願2001-61544(P2001-61544)
9.  遠藤 隆、神永 正博、渡邊 高志、大木 優「情報処理装置」、出願日:2001.2.22、
公開番号:特開2002-247025(P2002-247025A)、公開日:2002.8.30、
出願番号:特願2001-46250(P2001-46250)
10.  遠藤 隆、神永 正博、渡邊 高志、中田 邦彦、塚本 卓「情報処理装置」、出願日:2006.2.13、公開番号:特開2006-136032(P2006-136032A)、公開日:2006.5.25、出願番号:特願2006-34970(P2006-34970)
11.  渡邊 高志、神永 正博、遠藤 隆、熊野 誠一「情報処理装置」、出願日:2001.10.30、
公開番号:特開2003-134103(P2003-134103A)、公開日:2003.5.9、出願番号:特願2001-331856(P2001-331856)
12. 渡邊 高志、神永 正博、遠藤 隆「耐タンパー情報処理装置」、出願日:2004.2.4、公開番号:特開2005-223477(P2005-223477A)、公開日:2005.8.18、出願番号:特願2004-27550(P2004-27550)

特許(United States Patent)
1.  Yasuko Fukuzawa, Masahiro Kaminaga, Masaru Ohki, Susumu Okuhara,  " Information processing equipment and IC card", Application Number 09/525,014, Application: March 14, 2000, Patent Number 6408075, Date Issued: June 18, 2002.
2.  Yasuko Fukuzawa, Masahiro Kaminaga, Masaru Ohki, Susumu Okuhara,  " Information processing equipment", Application Number 09/528,995, Application: March 20, 2000, Patent Number 6615354, Date Issued September 2, 2003.
3.  Yasuko Fukuzawa, Masahiro Kaminaga, Masaru Ohki, Susumu Okuhara,  " Information processing equipment", Application Number 09/458,018, Application: December 10, 1999, Patent Number 6631471, Date Issued October 7, 2003.
4.  Takashi Endo, Masahiro Kaminaga, Masaru Ohki, Takashi Watanabe,  " Information processing device, information processing method and smartcard", Application Number 09/809,214, Application: March 16, 2001, Patent Number 6666381, Date Issued: December 23, 2003.
5.  Takashi Endo, Masahiro Kaminaga, Kunihiko Nakada, Takashi Tsukamoto, Takashi Watanabe,
"Information processing device", Application Number 10/217,565, Application: August 14, 2002, Patent Number 6691921, Date Issued: February 17, 2004.
6.  Yasuko Fukuzawa, Masahiro Kaminaga, Masaru Ohki, Susumu Okuhara,  " Information processing equipment and IC card", Application Number 09/449,537, Application: November 29, 1999, Patent Number 6839847, Date Issued January 4, 2005.
7.  Takashi Endo, Masahiro Kaminaga, Masaru Ohki, Takashi Watanabe,  " Tamper-resistant modular multiplication method", Application Number 09/935,654, Application: August 24, 2001, Patent Number 6968354, Date Issued: November 22, 2005.
8. Takashi Endo, Masahiro Kaminaga, Takashi Watanabe,  " Attack-resistant implementation method", Application Number 10/021,042, Application: December 19, 2001, Patent Number 6986054, Date Issued: January 10, 2006.
9.  Takashi Endo, Yasuko Fukuzawa, Masahiro Kaminaga, Nobutaka Nagasaki, Kunihiko Nakada, Yuuichirou Nariyoshi, Masaru Ohki, Satoshi taira, Chiaki Terauchi, Takashi Tsukamoto, Hiroshi Watase,  " Information processing device, card device and information processing system",
Application Number 09/599,005, Application: June 22, 2000, Patent Number 7086087, Date Issued: August 1, 2006.
10.  Takashi Endo, Masahiro Kaminaga, Takashi Watanabe, Kunihiko Nakada, Takashi Tsukamoto,
"Information processing device", Application Number 10/745,540, Application: December 29, 2003, Patent Number 7201326, Date Issued: April 10, 2007.
11.  Masahiro Kaminaga, Takashi Endo, Takashi Watanabe, Masaru Ohki,  " Tamper-resistant processing method", Application Number 09/940,985, Application: August 29, 2001, Patent Number 7254718, Date Issued: August 7, 2007.
12.  Takashi Watanabe, Masahiro Kaminaga, Takashi Endo, Seiichi Kumano,  " Information processing unit", Application Number 10/153,616, Application: May 24, 2002, Patent Number 7284133, Date Issued: October 16, 2007.
13.  Takashi Watanabe, Takashi Endo, Masahiro Kaminaga, Kunihiko Nakada,
Yuuichirou Nariyoshi, Chiaki Tanimoto,  " Information processing unit having tamper-resistant system", Application Number:10/124,576, Application: April 18, 2002, Patent Number 7451485, Date Issued: November 11, 2008.


Awards

1. 平成16年度(財)石田(實)記念財団奨励賞 「ICカード向け耐タンパーRSA暗号処理アルゴリズムの研究」

2. ビジネス書大賞2010 マスコミ・ブロガー賞『不透明な時代を見抜く「統計思考力」-小泉改革は格差を拡大したのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

競争的資金獲得実績(competitive funds)

研究代表者のもの

1. 文部科学省科学研究費補助金 若手(B)「ポアソンランダムシュレーディンガー作用素のスペクトルに関する研究」, 2005-2006年度

2. 研究成果最適展開支援事業(A-STEP)「マイクロステップ解析型DFAステーションの開発と検証」2011年度(JST-WEB site

分担者のもの

1. 文部科学省: 科学研究費補助金(一般研究(C))「数式処理と数学教育への活用」研究期間: 1994年 - 1995年(研究代表者 一松信)

学外委員など

1. 電子情報通信学会東北支部評議員2005.4-2007.3

2. Mathematical Review Reviewer(American Mathematical Society) 2006.8~現在

その他(紀要論文など)

1. 古田義徳,高須満彦,志子田有光,神永正博「DFAステーションの構築と評価(System Design and Evaluation of the Differential Fault Analysis Station)」,東北学院大学工学部研究報告第44巻第1・2号,p.23-26,2010年3月
2. 神永正博,志子田有光,吉川英機「東北学院大学アタックラボ構想(Tohoku-Gakuin University Attack Laboratory)」,東北学院大学工学部研究報告第45巻第1・2号,p.16-22,2011年3月

略歴(2012年4月現在)

神永 正博(かみなが まさひろ)

1967年東京都生まれ

1991年3月 同卒業
1991年4月 京都大学大学院理学研究科数学専攻修士課程入学
1993年3月 同修了
1993年4月 同博士課程進学
1994年3月 同中退
1994年4月~1998年3月 東京電機大学理工学部情報科学科助手
1998年4月~2004年3月 (株)日立製作所入社 中央研究所勤務
2003年3月 大阪大学博士(理学)を取得。
2005年4月~2011年3月 同助教授(2008年4月から名称変更で准教授) 
2007年4月~ 同大学院工学研究科電気工学専攻
2010年4月~2011年3月 Visiting Research Fellow, The Institute of Mathematical Sciences, Chennai, INDIA
2011年4月~ 東北学院大学工学部電気情報工学科教授 現在に至る。

My Biography (Last updated July, 2011)

Masahiro Kaminaga was born in Tokyo, Japan.

He received the B.S. degree in 1991 from Tokyo University of Science, Tokyo, Japan, the M.S. degree in 1993 from Kyoto University, Kyoto, Japan, and Ph.D. degree in 2003 from Osaka University, Osaka, Japan, all in mathematics.
He was an instructor of Tokyo Denki University, from 1994 to 1998, and a researcher of Central Research Laboratory, HITACHI Ltd., from 1998 to 2004.

In April 2004, he joined the faculty of Tohoku-Gakuin University as a lecturer in electrical engineering and information technology.
From April 2005 to March 2011, he was an Associate Professor in the Department of  Electrical Engineering and Information Technology.
From April 2010 to March 2011, he was a (Visiting) Research Fellow in The Institute of Mathematical Sciences, Chennai, India.
Since April 2011, he has been a Professor in the Department of  Electrical Engineering and Information Technology.

His areas of research interest are spectral theory of Schrödinger operators, mathematical physics, cryptography, tamper-resistant technology for smartcard-like device, and mathematical sociology.

Membership of academic societies:
MSJ(Mathematical Society of Japan)
IEICE(The Institute of Electronics, Information and Communication Engineering)
JAMS(Japanese Association for Mathematical Sociology)

Email: kaminaga at tjcc.tohoku-gakuin.ac.jp(spam-filter delays possible)

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Curriculum Vitae of Masahiro KAMINAGA

Born: 1967 Tokyo, JAPAN

Education:
March 1991:  B.Sc., Mathematics
Tokyo University of Sciences, Tokyo, JAPAN
March 1993:  M.Sc., Mathematics
Kyoto University, Tokyo, JAPAN
March 2003: Ph.D.(Doctor of Science), Mathematics
Osaka University, Osaka, JAPAN
Advisor: Shin-ichi KOTANI

Academic Appointments:
April 1994-March 1998: Instructor, Department of Information Sciences, Tokyo Denki University, Saitama, JAPAN
April 1998-March 2004: Researcher, Central Research Laboratory, HITACHI Ltd., Kokubunji-city, JAPAN
April 2004-March 2005: Lecturer, Department of Electrical Engineering and Information Technology, Tohoku-Gakuin University, Tagajo(near Sendai), JAPAN
April 2005-March 2011: Associate Professor, Department of Electrical Engineering and Information Technology, Tohoku-Gakuin University, Tagajo(near Sendai), JAPAN
April 2011-present: Professor, Department of Electrical Engineering and Information Technology, Tohoku-Gakuin University, Tagajo(near Sendai), JAPAN

Prizes:
2004 Minoru Ishida Prize for "tamper-resistant algorithm for RSA-cryptsystems"
2009 Business Book Award(in "the Mass communication and Blogger" category) for "Statistical Mind"(Discover 21 publishing, in Japanese)

Long Visit:
April 2010-March 2011(one year), Visiting Research Fellow, The Institute of Mathematical Sciences, Chennai, INDIA

Links for Security Engineer(Last updated August 31, 2010)

大学のページにあったコンテンツをブログに転載。今後はこちらを管理する。自分用データベースとして。以下、ICカードセキュリティを中心としたリンク集。

Cryptography Research Inc.

NSA(National Security Agency)

NIST(National Institute of Standards and Technology)

RSA Security

Certicom

Prof. Dr.Ross Anderson's Page

Dr.Markus Kuhn's Page

Prof. Dr.Ron Rivest's Page

Prof. Dr.Eli Biham's Page

Prof. Dr.Dan Boneh's Page

Mr.Bruce Schneier's Page(His blog)

Download the Handbook of Applied Cryptography(all chapters available for free download!)

Download Prof. Ross Anderson's book, "Security Engineering"(several chapters available for free download)

2009-12-12

ちょっと勉強しておかないといけないサービスのリスト

ちょっと勉強しておかないといけないサービスのリスト。

ときどき自分の中の情報を更新しておかないと取り残される。

subversionとそのクライアントTortoiseSVN

これまで原稿のバージョン管理は、ワードの場合は、ファイル名に、日付とバージョン番号を入れて行なってきた。TeXの場合は、できるだけマスターのTeXファイルに変更記録を残していた。
どうみてもあまりに原始的な方法論。
で、そろそろちゃんとバージョン管理ソフトを利用せねば、と思う次第。

Sugarsync
とりあえず使い始めたが、まだ活用しているとは言い難い。自動バックアップは便利。
Google Docsなどでは限界がある感じなので。

eBeam
ホワイトボードに書き込んだ内容をkindleに転送できる。Polar Bear Blogに紹介記事あり。
kindleはもうちょっと経ってから買おうかと思っている。
kindleがらみでは、NOOKも調べてみないと(関連記事The Nook Isn't A Kindle Killer, But It's Still Awesome (BKS, AMZN))。

del.icio.us
Yahoo IDが必要なところがちょっと…、と思ったが、はてブより便利かも。使い分けるべきかもしれないが。

Google wave
なんだかわからないが自分の中で期待だけ高まっている。

Google Chrome OS
小飼さんの記事(news - Google Chrome OS ってどう(なる)よ?#ChromiumOS が orz, orzer, orzest な理由)。
これも期待しているが、何がどうなっているのかは全然理解していない。

DTPソフト&関連ソフト(厳選・フリーのDTPソフト
ちょっといじってみたいのだが、なかなか手が回らない。

2009-12-06

出版の未来(2)

堀江貴文さんが、こんなことを書いている。ゴルフの話はともかく、気になったのは、
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少しずつであるが、書店からネット書店へのシフトは広がっているはずである。Kindleなどのネット端末が普及してくれば出版社を通さず、直に編集者と組んでアマゾンなどのネット書店オンリーで売るという方式が普及してくるかもしれない。私ももうそろそろそういう方式にしようかと考えているところである。
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というところ。

現時点では、リアル書店の存在は大きいと思うが、確かにこの方向はありうると思う。

出版の未来でも書いたことだが、今後は出版社は水平分業せざるをえないと思う。堀江さんくらい知名度があれば、フリーの編集者と組んで一冊仕上げ、ちゃんとペイさせるのは簡単なことだろう。

個人的な感覚でいうと、中身のチェックは個人的に可能だし(人脈を利用するわけだが)、編集についてもなんとかなる。うちの場合だと、私が書いて、妻が読み、客観的な視点で読みにくいところ、わからないところ、それなりに面白いところなどを指摘してくれる。文章の細かい部分も修正してくれる。編集者と一緒に暮らしていると言ってもいいくらいだ。
DTPソフトは、INDESIGNあたりだと10万円いかないくらいで買える。こういうのを使えれば出版社に流通(リアル本の場合)とプロモーションを頼む以外は自前でできるのかな、と思ったりして。

問題は、プロモーション部分で、これは難しい。ここは本質的なところ。文章やら図やらは、ソフトウェアの話だから、使いこなす気力さえあればなんとかなると思う。完全に電子化されれば流通は不要になるから、やはり本質はプロモーションだ。

堀江さんのように、既に名前が知られている人で、パーソナルメディア(ブログなど)を持っているなら、プロモーションさえショートカットできるかもしれない。

出版社は、近い将来、自分たちの仕事を再定義する必要が出てくると思う。今のところ、リアル書店の比率の方がずっと大きいので、それほど緊急ではないかもしれないが。

2009-12-02

出版の未来

リアルの本とリアル書店が大好きだ。私はとにかく巨大でなんでも揃っている本屋が好きで(風情がなくてスマヌ(丸善インタビューでも同じこと言ってる))、並んでいる本を端から手にとってパラパラめくり、「お」と思った本をどんどん買ってしまうというのが一番の楽しみだった。休日には、リュックを背負って、書泉グランデ三省堂をぐるぐる回り、古本屋も物色して、数万円分の本を買ってルノアール(喫茶店)のふかふかのソファに座ってコーヒーを飲みながらニヤニヤ眺めるというのが最高の娯楽だった。年間30-40万円は本を買っていた(専門の洋書は、有隣社を通して買うことが多かった)。

だが、このスタイルでどんどん本を買うことはもうないような気がする。私の頭は、電子情報に慣れすぎてしまったので、紙でなくてもストレスを感じにくくなっている(なくはないが)。自宅も大学も本で一杯だ。もう勢いだけで買うのは物理的に難しくなっている。

今や、(書評系&学術系)ブロガーが最初の(ハイパス?)フィルタで、そこでかなり絞り、図書館に予約して一読し、面白そうなものだけAmazonで買うというスタイルから抜けられそうにない。新刊はあまりに多く、過去の本まで含めると読むべきものはあまりに多い。ブロガーはもはやインフラである。それでも本は増える。どんどん増える。生活圏を脅かすくらい増える。

このままいけば、本を捨てるか、バラバラにしてスキャンしてpdfにするかしか策が残っていない。もう既にあちこちで言われているが、一冊買った人にはpdfを無料配布というわけにはいかないのかと思う。そうすれば本の中身が検索できるようになるし、読者としてはいいことばっかりなのだが。出版社としては、pdfをコピーされてしまうのが問題だが、やたらとロックがかかっているのもちょっとどうかという気もする。自分で買った本くらいどこでも読みたいし。

電子化したい。全部。この強烈な欲望。


干場さんがこんなことを書いている。

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嵐の前の、価値と創造の場所 ●干場

今まさに、グーテンベルグ以来の変革の時だが、真の脅威はグーグルではなく、出版社抜きに誰でもローコストで「本」を書き流通させられることだと私は感じる。
実際、現在の出版社を中間搾取者のようにとらえている若い読者や著者志望者が少なくないのを感じる。でも逆に、だからこそ、出版と書店の力を見せてやろうじゃないかという気持ちもある。
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おそらくKindleなどが頭にあってのことだろう。

書籍の電子化が進むのは、時間の問題だ。
そうなれば、出版社が水平分業化するのは間違いない。

例えば、こんな風に。

(1) プランナー
(2) プロデューサー
(3) プロモーター
(4) チェッカー(校正 and 内容の真偽(査読?))
(5) デザイナー
(6) エディター(12.3追記

(1), (2), (5), (6)は個人でも可能かもしれない。(1)は捉え方にもよるが、誰に書かせるかまで含めて企画を立てられる必要があると思う。(2)は、(1)の方向性と著者の個性を見つつ完成まで導く役割で、なかなか大変な仕事のような気がする。(5)においては、装丁の役割がどうなるのか、まだよくわからない。ただ、中身のデザインやイラスト(イラストはイラストレーターだと思うが)といったものが不要になることはないと思う。

(3)は人員がかかる。これは会社組織でないとできない。ディスカヴァーは、(3)が圧倒的に強い。

(4)は校正もある程度そうだが、内容の真偽を判定するところまでいくと専門家が必要。私の場合は、大学関係者(リアルの知人とは限らない)に、査読をお願いしている。私の場合、専門外の領域まで書くので、どうしても必要になる。
専門家同士でも査読を経て論文が掲載されることを思えば、このプロセスが重要なことは間違いない。科学読み物のようなものの場合、一応の科学教育を受けた人(例えば博士号を持つ人)が、フリーで請け負うということも考えられる。
(もっとも、嘘でも面白ければいいという本の場合、真偽の判断は不要だけれど。)

リアル書店が当分存在し続けるだろうことを考えると、この変化は数年という単位ではないと思うが、10年から15年後、出版地図が今と同じというのも信じがたい。

出版社の方々は大変なのだと思うが、不謹慎にもわくわくしてしまう自分がいる。